バレンタイン恒例?ネタ
(この法律の目的)
第一条 この法律は、日本国憲法第二十五条 に規定する理念に基き、女子が、チョコレイトに困窮するすべての男子(以下「非モテ」という。)に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、そのバレンタインデイにおける最低限度の生活を保障するとともに、そのモテを助長することを目的とする*2。
(無差別平等)
第二条 すべて男子は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護(以下「保護」という。)を、無差別平等に受けることができる*3。
(最低生活)
第三条 この法律により保障される最低限度のチョコレイトは、精神的に健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない*4。
(保護の補足性)
第四条 非モテの保護は、チョコレイトに困窮する者が、その利用し得る資産、モテ能力その他あらゆるものを、そのバレンタインデイにおける最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる*5。
2 民法 (明治二十九年法律第八十九号)に定める扶養義務者のチョコレイトの扶養及び他の法律に定めるチョコレイトの扶助は、すべてこの法律による非モテの保護に優先して行われるものとする*6。
3 前二項の規定は、急迫した事由がある場合に、必要な非モテの保護を行うことを妨げるものではない*7。
(この法律の解釈及び運用)
第五条 前四条に規定するところは、この法律の基本原理であつて、この法律の解釈及び運用は、すべてこの原理に基いてされなければならない*8。
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*1:ネタを書いてて悲しみに暮れました笑。ちなむとこのネタは本日公布即日施行の本日限りの時限法です。とりあえず総則の一部のみ。これからはネタカテゴリも充実させていきたいです。次はホワイトデーネタですかね。
*2:年に1度、世の全ての男子が無い期待を膨らませる日。バレンタインデイである。世の男子がどれだけ女子と仲良く過ごしてきたか、その評価が下される日でもある。しかし、非モテはもちろんのこと、たとえ日頃からある程度女子と仲良く過ごしてきたと期待に胸を膨らませる男子でも、非情な評価を下されることがある。この法律は、そんな男子の期待を保護することで来年に弾みをつけさせ、もってモテを助長することを目的する。
*3:憲法14条1項の趣旨を確認した規定である。非モテであれば、イケメン・フツメン・ブサメンにかかわらず、この法律の保護を受けることができる。
*4:憲法25条の趣旨を確認した規定である。抽象的概念である最低限度のチョコレイトにつき「精神的に」健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならないとする意味で、憲法25条の内容を具体化している点には注意を要する。なお、「精神的に」の判断は、チョコレイトの個数やチョコレイトをくれる女子の人数のみによる形式的判断になじまず、あらゆる事情を総合考慮して個別具体的に決すべきである。
*5:バレンタインデイは女子の男子に対する評価が下される日であるから、男子は常日頃からモテのためにあらゆる努力を尽くさなければならない。しかし、そのような努力を尽くしてもなお報われない場合があることについては異論のないところである。本条項は、自助努力を前提として、あらゆる努力を尽くしたがモテることの叶わなかった男子に限って非モテの保護を受けることができることを確認する趣旨の規定である。
*6:直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある(民法877条1項)。非モテの保護は、有限なチョコレイトを原資として行われるのであり、国家が女子をして非モテの保護を行うのは、原則として、扶養義務者による扶養が期待できない場合に限られる。たとえば、実家で両親と暮らしている19歳の大学生A君は、母親Bからチョコレイトを貰う期待を有しているのであり、A君が母親からのチョコレイトを望んでいるか否かにかかわらず、A君は非モテの保護を受けることができない。
*7:①努力故にモテる男子や②努力を怠りモテない男子、③扶養義務者の扶養の期待を有する男子といえども、バレンタインデーにおける最低限度の生活が脅かされるおそれは否めない。たとえば、17歳の高校生甲君が下校する際、甲君の下駄箱に気になるあの子である乙女からのチョコレイトが入っていたので甲君は舞い上がっていたが、実はこのチョコレイトは甲君の友人丙男のいたずらによるものである場合などが考えられる。このような場合には甲君がいたずらに気が付く前に落胆の緩和措置として非モテの保護を行う緊急の必要があるといえる。この場合は、たとえ甲君が①ないし③にあたるときであっても、甲君の下校後帰宅前の通学路上において、非モテの保護を行う「急迫した事由」が認められることに異論を唱える者はいないであろう。
*8:総則のまとめ規定であり、再度この法律の基本理念が憲法25条の生存権を受けて、男子がバレンタインデイにおける最低限度の生活が維持されることにあり、その反面において、全て男子は常日頃からモテの努力を尽くすべきことを確認する趣旨である。
処女作(民法のオリジナル事例問題)
⒈ 新年のご挨拶
こんばんは。私です。新年が明けましたね。
今後も不定期更新でほそぼそとやっていこうと思いますので,今年も宜しくお願い致します。
私の今年の抱負は,司法試験に上位で合格することです。
そのためにお正月を返上して勉強をしていたのですが,幾つか疑問に思ったことがありました。民法に関する疑問です。
直ぐに文献にあたって調べてみても面白くないなと思ったので,これらの疑問を事例形式にしてみました。ホヤホヤの処女作です(誰得)。
もしよろしければ,この記事を読んでいただいている皆さんも,一緒に考えてみてください。ちなみに,作問した私自身,解答例を想定していません(土下座)。
⒉ 設問と事例
[設問]
次の事例において,AはDに対して,どのような請求ができるか,Dの反論も想定しつつ,検討してみてください。
[事例]
⒈ AとBは,Cの金銭債権者である(貸金債権。担保なし)。AのCに対する債権は,未だ弁済期が到来していないが(弁済期は4年後),BのCに対する債権は,弁済期が到来している。
⒉ Bは,Cがなかなか弁済をしないため,Cに対し,金銭の支払いを強く求めた。Bが何度も取り立てに行ってもCはなかなか応じないため,痺れを切らしたBは,暴力団関係者でもないのに「これはわしに近い暴力団の組員さんにお願いするしかないのぅ。えぇ?こら。キャッシュの代わりになれば物でも何でもいいんじゃ。」と,Cに顔を近づけて,すごんだ*1。Cは,一瞬他の債権者の顔が過ったが,Bの言葉を信じ,また,恐怖したため,Bに応じるしかないと考えた。しかし,Cは,全くキャッシュを持っていなかったため,Cの唯一の財産である甲土地につき,Bと代物弁済契約を締結することで勘弁してもらいたい旨を告げ,Bの了承を得た。そこで,BC間で甲土地の代物弁済契約を締結したのち,登記もBに移した(甲土地は相当価格で評価されている)。
⒊ その後しばらくして,Bは,甲土地をDに売却し,後日,Dに登記を移した。なお,Dは,BC間の代物弁済契約がされた当時は,上記経緯についてなど,当然知る由もなかったが,Bとの売買契約の時点にあっては,Bから一部事情を聞かされていため,Cには当時他にも債権者がいたこと,及び,甲土地はCの唯一の財産であったことを知っていた一方で,甲土地はBが嘘をついてすごんだために手に入れたものであることについては,知らなかった。
⒋ 4年後,AのCに対する債権の弁済期が到来し,Aは上記⒉⒊の経緯を知るに至った。現在もCには目ぼしい財産がなく,また,CはBとの代物弁済契約について取消権を未だに行使していない。
以上です。
⒊ 疑問点
…読んでいただいた方と,私の疑問点が重なっていれば幸いなのですが
私の疑問点は
①詐害行為取消権を行使する前提として詐害行為時に被保全債権が存在することが必要ですが,被保全債権につき弁済期が到来していることまで要するのか(取消債権者が引き当てにしている債務者の責任財産は,契約時の責任財産なのか,権利行使時に存在するであろう責任財産なのかという問題だと思います)。
②よく,詐害行為性の判断要素として「通謀」が挙げられているが、その具体的内容は何なのか*2。
③民法の場合,詐欺と強迫はどのように区別されるのか。
というものです。
⒋ おわりに
裏はとっていませんが,この①〜③をどのように考えるかで,AのDに対する請求の当否が変わってくると思います。
これから文献にあたってみて裏をとってみようと思います。楽しみです。
裏がとれたら追記したいと思います。
最後までお付き合いしていただいた方,ありがとうございます。もし私の感じた疑問点に共感していただけたのであれば,嬉しいです。
※⒌ 追記
①については,古い判例があるようで,債権が詐害行為前に発生したものであれば,詐害行為の当時履行期が到来していなくてもよいそうです*3。
私の勉強不足が露呈してしまいましたね(滝汗
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