処女作(民法のオリジナル事例問題)

⒈ 新年のご挨拶

こんばんは。私です。新年が明けましたね。

今後も不定期更新でほそぼそとやっていこうと思いますので,今年も宜しくお願い致します。

 

私の今年の抱負は,司法試験に上位で合格することです。

そのためにお正月を返上して勉強をしていたのですが,幾つか疑問に思ったことがありました。民法に関する疑問です。

直ぐに文献にあたって調べてみても面白くないなと思ったので,これらの疑問を事例形式にしてみました。ホヤホヤの処女作です(誰得)。

もしよろしければ,この記事を読んでいただいている皆さんも,一緒に考えてみてください。ちなみに,作問した私自身,解答例を想定していません(土下座)。

 

⒉ 設問と事例

[設問]

次の事例において,AはDに対して,どのような請求ができるか,Dの反論も想定しつつ,検討してみてください。

[事例] 

⒈   AとBは,Cの金銭債権者である(貸金債権。担保なし)。AのCに対する債権は,未だ弁済期が到来していないが(弁済期は4年後),BのCに対する債権は,弁済期が到来している。

⒉   Bは,Cがなかなか弁済をしないため,Cに対し,金銭の支払いを強く求めた。Bが何度も取り立てに行ってもCはなかなか応じないため,痺れを切らしたBは,暴力団関係者でもないのに「これはわしに近い暴力団の組員さんにお願いするしかないのぅ。えぇ?こら。キャッシュの代わりになれば物でも何でもいいんじゃ。」と,Cに顔を近づけて,すごんだ*1。Cは,一瞬他の債権者の顔が過ったが,Bの言葉を信じ,また,恐怖したため,Bに応じるしかないと考えた。しかし,Cは,全くキャッシュを持っていなかったため,Cの唯一の財産である甲土地につき,Bと代物弁済契約を締結することで勘弁してもらいたい旨を告げ,Bの了承を得た。そこで,BC間で甲土地の代物弁済契約を締結したのち,登記もBに移した(甲土地は相当価格で評価されている)。

⒊   その後しばらくして,Bは,甲土地をDに売却し,後日,Dに登記を移した。なお,Dは,BC間の代物弁済契約がされた当時は,上記経緯についてなど,当然知る由もなかったが,Bとの売買契約の時点にあっては,Bから一部事情を聞かされていため,Cには当時他にも債権者がいたこと,及び,甲土地はCの唯一の財産であったことを知っていた一方で,甲土地はBが嘘をついてすごんだために手に入れたものであることについては,知らなかった。

⒋   4年後,AのCに対する債権の弁済期が到来し,Aは上記⒉⒊の経緯を知るに至った。現在もCには目ぼしい財産がなく,また,CはBとの代物弁済契約について取消権を未だに行使していない。

 

以上です。

 

⒊ 疑問点

…読んでいただいた方と,私の疑問点が重なっていれば幸いなのですが

 

私の疑問点は

①詐害行為取消権を行使する前提として詐害行為時に被保全債権が存在することが必要ですが,被保全債権につき弁済期が到来していることまで要するのか(取消債権者が引き当てにしている債務者の責任財産は,契約時の責任財産なのか,権利行使時に存在するであろう責任財産なのかという問題だと思います)。

②よく,詐害行為性の判断要素として「通謀」が挙げられているが、その具体的内容は何なのか*2

民法の場合,詐欺と強迫はどのように区別されるのか。

というものです。

 

⒋ おわりに

裏はとっていませんが,この①〜③をどのように考えるかで,AのDに対する請求の当否が変わってくると思います。

これから文献にあたってみて裏をとってみようと思います。楽しみです。

裏がとれたら追記したいと思います。

 

最後までお付き合いしていただいた方,ありがとうございます。もし私の感じた疑問点に共感していただけたのであれば,嬉しいです。

 

※⒌ 追記

 ①については,古い判例があるようで,債権が詐害行為前に発生したものであれば,詐害行為の当時履行期が到来していなくてもよいそうです*3

私の勉強不足が露呈してしまいましたね(滝汗

 

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*1:あまり怖そうに感じませんが,Bは強面で体格も筋肉隆々,という体でお願いします笑

*2:代物弁済の詐害行為性につき,最判昭和48年11月30日民集27巻10号1492頁は,「通謀」を要求しています。

*3:大判大正9年12月27日民録26巻2096頁